笑うのに必要なのは,17 種類の筋肉.
だけど,しかめ面するのには 47 の筋肉がいる.
エネルギーを大切に.
-unknown-

自分の写真
どこかの街, どこかの井戸で
日常にハミングを。Evernote、iPhone、エネルギー・環境関連、ランニングなどについて呟いてます。

2009年12月26日土曜日

幸福度

アメリカの心理学者であるDienerら(2008)は、人の「幸福度」を、こんな式で表している。

幸福度 = 持っているもの ÷ 望んでいるもの 


こういった抽象的な言葉(幸福)を数量化,あるいは定式化することには些か疑念を抱かないわけではないが,上の幸福度の式は経験則からいって存外当たらずとも遠からずではないか.

この式をまじまじと見て気付いたことは,私たち人類の大半は不幸のうちにその一生を,あるいは平凡を生きてきたに違いないことが分かる.

「人類の進歩」

こう言われた場合,それはほとんどの場合に科学的・倫理的範疇での話になる.その人類の進歩は現状に満足できない欠落感を,補うための不断の努力によって成し得てきたはずだ.

つまり,いま(持っているもの)よりも常に未来(望むもの)を多として,進歩してきたともいえるわけだ.

こうして歴史は今を頂点とする形に整えられ,そして,未来を今以上の高次元でより幸福なものであるという幻想に至る(のだと思う).

と, ここまで然も生きるための存在意義を幸福に求めるようなことを嘯いてきたが,そうでははい.むしろ,幸福とはそんな程度のものとして,燃えるゴミとして袋 に詰めて捨てるまでではないが部屋の隅っこにでも置いておけばよい.そんなことだ.そして,最善の幸福になるための方法は,宗教にでも入ればよい(決し て,そんなことは厭だけど).今以上に求めなければ良い.それしかないじゃん.だけど,そんなことできないのが人間であり,かく言うぼくもまだ人生に絶望 してはいないから厄介だ.



ケロ

2009年12月14日月曜日

夢の効用

今朝,夢をみた。

夢をみたからには、内容がどうであったかをある程度覚えている。
その夢には、全く今となっては会わなくなった知人が出てきた。

これまで夢は,ジークムント・フロイトなどによって夢分析といわれるように,多くの人間にとっての関心ごとであったし,それは今でも変わらないだろう.夢の中に出てきた人物や物は,現実を反映したシンボルとして夢に現れているという風に信じられていた.


夢を見るのは、レム睡眠といって浅い眠りの時である.そのレム睡眠であるが,どのような役割があるのか.日常の膨大な情報を取捨選択して、統合・整理しているのはレム睡眠の時だということが知られている。

記憶の定着化に重要なものとして、「恐怖」がある。よくこんなことがないだろうか.

誰かに追い掛けられたり、穴に落ちたり、殺されかけたりした経験は少なからずあるだろう。その「恐怖」を伴う夢体験は,記憶を定着するのに一役買っているのだ.怖い夢を観たら,記憶をうまく定着させているのだなという程度に思えばよろしいのかもしれない.

2009年12月8日火曜日

climategate事件

国連気候変動枠組み条約第15回締約国会議:COP15で,温室効果ガス削減,新興国の検証がなされている.漸進的ではあるが,世界全体で少しづつ削減努力をつづけている.しかし,その努力を根底から覆す事態が俄かに起こっている.それこそ,watergate事件にちなんで名づけられたclimategate事件といわれる科学スキャンダルだ.





グラフ(上)はニュージーランド水圏大気研究所(NIWA)が発表していたもので、20世紀に急激に温暖化していますが、別の科学者がデータを再調査したところCRUと同種の不正が見つかり、実際の気温変化はグラフ(下)だったとこが発覚 @化学者のつぶやき


地球温暖化問題に関しては、様々なメディアでその真偽について議論されてきた。

概ね以下のような階層ごとで問題視されている。

1.地球は本当に温暖化しているのか?
2.温暖化しているとして、果たしてどのような影響があるのか?
3.それはproblemなのか、それともissueなのか?


cop15はここら辺をどう扱っているのだろうか.看過できないはずなのでは.

ケロ

2009年12月4日金曜日

太陽はひとりぼっち(1962) ?????

太陽はひとりぼっち(1962)


「つまらない」というのと,「わからない」というのは当然違うわけだが,本作は後者の部類に入った.
今現時点において,この作品を公平に評価することが僕にはできない.僕にはわからないのだ.

しかし,わからないなりにかなり本質的なテーマを扱っているのだろうというのは感じ取れる.だから,「つまらな」くはなかったのであり,「わからない」と評価した.

これまでにそういう映画が無かったわけではない.かなり感覚的な映画は数多くある.ここでいう感覚的無映画とは,言語化されていないノンバーバルな表現を主体とした映画ものを指す.

そのなかで,すんなり噛み砕かずとも咽喉を通るものもあれば,今回の「太陽のひとりぼっち」のように,消化不良になってしまう,つまりうまく解せないものもある.


以下,内容を紹介する.

都会に生きる人々の刹那的な恋愛を、M・アントニオーニ監督がシャープに描いた秀作。ひょんな事から出会ったヴィットリアとピエロは惹かれあい、肉体関係を結んだ。しかし、その関係にすべてを賭けるような情熱もなく、2人は無感動な別れを選択する。 @キネマ旬報社




モノクロの風景が画面に映る.そこには,木々や忙しなく往来する車,ベッドタウンのような街並みがある.しかし,それだけではないのは自明だ.
たとえばシニフィアン(能記)として表象された「木(ki)」には,シニフィエ(所記),つまり概念・イメージが付与される(図1).





図1@Wikipedeia

しかし,実際にはシニフィアンに対してシニフィエはかなり流動的であり,人間は表象されたシニフィエから様々な事物を連想する.

すなわち,M・アントニオーニ監督が表現する風景は,必ずしも“風景”ではなく,風景の裏側にある未曽有のイメージだ.そのイメージを物語二停留するテーマによって,フィックスしていく.

話は逸れたが,本作を理解するには生半可な鑑賞はゆるされないということだ.




ケロ

2009年12月2日水曜日

北極熊

村上春樹が著した短編集「神の子どもたちはみな踊る」に収録されている作品の一つに「タイランド」(連作『地震のあとで』その四, 1999年『新潮』11月号)がある.

数ある中でも,好きな話のひとつだ.
傷心の女医(さつき)がタイで過ごした休日を描いた話となっているのだが,ガイド兼運転手のニミットというタイ人が物語の終盤部分で,かつて自分の上司であった人から聞いたあることを,さつきに話しだす.

それは北極熊の生態についてだ.


少々長くなるが,以下に一部を記載する.

「彼は私に一度、北極熊の話をしてくれました。北極熊がどれくらい孤独な生き物であるかという話です。

彼らは年に一度だけ交尾をします。

年に一度だけです。夫婦というような関係は、彼らの世界には存在しません。

凍てついた大地の上で一匹の牡の北極熊と一匹の牝の北極熊とが偶然的に出会い、そこで交尾が行われます。

それほど長い交尾ではありません。

行為が終了すると、牡は何かを恐れるみたいにさっと牝の体から飛び退き、交尾の現場から走って逃げます。文字どおり一目散に、後ろも振り返らずに逃げ去ります。

そしてあとの一年間を深い孤独のうちに生きるのです。

相互コミュニケーションというようなものはいっさい存在しません。

それが北極熊の話です。

いずれにせよ、少なくともそれが、私の主人が私に語ってくれたことです。

(…)

そのとき私は主人に尋ねました。

じゃあ北極熊はいったい何のために生きているのですか、と。

すると、主人は我が意を得たような顔に浮かべ、私に尋ねかえしました。

『なあニミット、それでは私たちはいったい何のために生きているんだい?』と」



物語の文脈から逸脱したカタチで,この北極熊の話を切り出しても興味深いものには変わりないだろう.

「夫婦」,「愛」という観念が北極熊にはない.当然といえば当然のこと.そもそも「言葉」というものを持ち合わせてはいないだろう.とはいえ,ある程度動物のうちにも夫婦関係や愛情というものを垣間見ることができる.それが北極熊に至っては見出すことができない.これは人間の常識からは考えられないことだ.

やはり,僕たちは卵なのだろうか.
究極的には交わることのできない殻で覆われた卵なのかもしれない.交わろうとすれば,ぐちゃりと潰れてしまうそんな存在.

「常識」と言ったが,それは「事実」を指すわけではない.常識は集団を生きる知恵のことだ.そうなると・・・・・・


北極熊も,
人間も,
同じようなものかもしれない.


ケロ

バグダット・カフェ


20年前,日本でミニシアター系として爆発的人気となった映画「バグダット・カフェ」.
そのニュー・ディレクターズ・カット版が再度上映されることとなったらしい.

一度も観たことがないので,ぜひ映画館で見てみようと思う.

ケロ

布団乾燥機が好きだった


暖かい.

昨晩,冷え冷えとした部屋で四肢の先が凍るような,そんな寒さに襲われていたのに比べ
今日はなんと陽気な朝だろう.

こんなときには週末のお天気に干した布団のにおい,「おひさまのにおい」がする.

このにおいのもとは・・・・・・,と言ってしまえば,なんとも詰まらぬ事に為って終いそうだから止めておこう.


そんな世間では「おひさまのにおい」と称されるものを嗅ぐと,布団乾燥機を思い出す.

僕は布団乾燥機が好きだった.
冬になると,よく母親が布団乾燥機を物置から出してきてやってくれたものだ.


昼間にやっておけば,夜にはなんとも心地よい布の肌触りと「おひさまのにおい」が出来上がり,極上の眠りを与えてくれる.

得も言われぬ至福のとき.

そんなことが今ではできない.

ならば,束の間の太陽の光をたっぷりと浴びてやろう.


ケロ

2009年12月1日火曜日

11月の鑑賞

11月の鑑賞メーター
観た本数:7本
観た時間:769分

あの子を探して [DVD]あの子を探して [DVD]
★★★☆☆ 非常に教育的な映画。とても懐古的なシチュエーションのようにみえて、いまの中国の一面を映し出している。
鑑賞日:11月28日 監督:チャン・イーモウ
紀元前1万年 特別版 [DVD]紀元前1万年 特別版 [DVD]
★☆☆☆☆ マンモス狩りのシーンでさえ,なんだか人間が滑稽染みて見えた.タイトルからして,面白くなさそうなのに近日公開された「2012」が気になって,エメリッヒ監督作品に手が伸びてしまった.こういうのは,地上波で観ましょう.
鑑賞日:11月27日 監督:ローランド・エメリッヒ
13/ザメッティ [DVD]13/ザメッティ [DVD]
★★★☆☆
鑑賞日:11月18日 監督:ゲラ・バブルアニ
ハンコック エクステンデッド・コレクターズ・エディション 【Amazon.co.jp 限定リバーシブル・ジャケット仕様】 [DVD]ハンコック エクステンデッド・コレクターズ・エディション 【Amazon.co.jp 限定リバーシブル・ジャケット仕様】 [DVD]
★★★☆☆
鑑賞日:11月15日 監督:ピーター・バーグ
4ヶ月、3週と2日 デラックス版 [DVD]4ヶ月、3週と2日 デラックス版 [DVD]
★★★★☆ 「壁と卵」.エルサレム賞を受賞した村上春樹のスピーチを思い出した.あまりにも壁に対して卵は脆い.そして,あまりにも卵と卵が分かち合うことは難しい・・・・・・,そんな思いがした.
鑑賞日:11月05日 監督:クリスティアン・ムンジウ
トップガン [DVD]トップガン [DVD]
★★★☆☆
鑑賞日:11月02日 監督:トニー・スコット
THE 有頂天ホテル スタンダード・エディション [DVD]THE 有頂天ホテル スタンダード・エディション [DVD]
★★★☆☆ てんやわんやの喜劇は、まさに三谷監督らしい。代わりのきかない映画として、これからも映画を撮ってもらいたい。
鑑賞日:11月01日 監督:三谷幸喜
ケロ

11月の読書

11月の読書メーター
読んだ本の数:6冊
読んだページ数:1916ページ

『坊っちゃん』の時代 (第3部) (双葉文庫)『坊っちゃん』の時代 (第3部) (双葉文庫)
★★★★☆ 石川啄木という人物があまりにも愚かしく,独善的な奴であると思った.しかしそれ以上に,愚直な人間であったのではないかとも考えた.啄木的な要素を少なからずわが身にも感じ取れる気がする.
読了日:11月29日 著者:関川 夏央,谷口 ジロー
つきはぎだらけの脳と心―脳の進化は、いかに愛、記憶、夢、神をもたらしたのか?つきはぎだらけの脳と心―脳の進化は、いかに愛、記憶、夢、神をもたらしたのか?
★★★★☆ 脳の場当たり的な進化をもとに,「記憶」・「愛」・「夢」などについて,科学者らしい控えめな考察を述べている.今後の脳研究が楽しみだ.
読了日:11月27日 著者:デイビッド・J. リンデン
星の王子さま (集英社文庫) (集英社文庫)星の王子さま (集英社文庫) (集英社文庫)
再読了日:11月20日 著者:アントワーヌ・ド サン=テグジュペリ,Antoine de Saint Exup´ery,池沢 夏樹
『坊っちゃん』の時代 (第2部) (双葉文庫)『坊っちゃん』の時代 (第2部) (双葉文庫)
★★★★☆ 森鴎外には,しみったれたセンチメンタリストというレッテルを勝手に貼っていた.ある意味では,間違っていなかった.しかし,父権的権力(国家,家族など)が横行していたこの時代にあって,個人的感情を押し殺して果たすべき責務を鴎外は負っていた.
読了日:11月19日 著者:関川 夏央,谷口 ジロー
『坊っちゃん』の時代 (双葉文庫)『坊っちゃん』の時代 (双葉文庫)
★★★★☆ 否が応にも欧化の波が押し寄せた時代.夏目漱石を台頭に,国家的自我に日本は目覚めた.現在も日本が他国に対して抱えている運命的ともいえる劣等感.その萌芽は,ここ明治にあった.
読了日:11月15日 著者:関川 夏央,谷口 ジロー
ブランカ (ビッグコミックススペシャル)ブランカ (ビッグコミックススペシャル)
★★★☆☆
読了日:11月05日 著者:谷口 ジロー

読書メーター


ケロ

2009年11月28日土曜日

もうすぐ師走


携帯で撮った一枚(画質,粗い・・・)中央あたりに,猫が二匹います.

12月に入ろうかという時期に,ポカポカ陽気の昼.
ニュースでは寒暖の差が激しすぎて,つつじが返り咲きしてしまったことを伝えていた.
それくらいだから,やっぱりここ2,3日の天気はおかしいのか.

ちょいと下町風情を味わおうと,これまで通ったことのない裏路を散歩する.
燃えるような赤の紅葉がみえた.いま見ごろを迎えているようだ.
そのまわりには人でにぎわっていた.とてもいい風景.

街では早めのクリスマスムードで,イルミネーションがきらきらしてますが
このような自然のもつ鮮烈な色彩にも,負けじと私たちの足を止める力があるのだな.

公園を後にして,そのまま猥雑な裏路地へと進む.

そんな折に,あの写真に写る猫たちを発見.
夫婦なのか,親子なのか.
もしかしたら,たまたま居合わせた銭湯の馴染のようなシチュエーションだったのだろうか.

向かい側が八百屋だったこともあり,控え目にレンズを猫たちに向ける.
しかも,逃げたらかなわないと思い,遠目からのシャッターとなってしまった.


まどろむ猫たち.
猫たちは,ここぞとばかりに太陽の熱を吸収し,蓄え,冬に備える.

もうすぐ師走か.


ケロ

紀元前1万年(2008) ★☆☆☆☆

紀元前1万年(2008)

以下,Amazonの解説.

「インデペンデンス・デイ」「デイ・アフター・トゥモロー」のローランド・エメリッヒ監督最新作!

誰も見たことのない世界は、「過去」にあった


時は紀元前1万年。人も動物も自然のままに生き、マンモスが大地を闊歩する時代。サーベルタイガーや獰猛な肉食動物と果敢に闘い、広大な砂漠で青年は旅を続けていた。邪悪な支配者に囚われの身となっている愛する人を救うために――。@Amazon

VFX映像はもうたくさん.

と感じさせる映画であった.
高いCG技術で,たしかにマンモスやサーベルタイガー,ピラミッドなどをある程度表現しているが,ただそれだけ.
ローランド・エメリッヒ監督は,これしかない.

CGなどは当然ながら,手段としてあるべきで,本作はそれを主眼に置いている.
実に本末転倒な映画だ.



ひとつ断っておけば,中身が無いのを憂いているのではない.中身が無くとも面白い映画はある(と思う).しかし,これは外見があまりにも荒削り過ぎて,まるでカビの生えたスカスカの饅頭だ.

ひと昔前に流行ったこういう映画はもう廃れていってもいいはずなのだが,その残滓がまだ残っているようだ.この分では,近日公開された「2012」も同じなのだろうか.ちょっと,予告編では面白そうだったんだけどな.


カビの生えたスカスカの饅頭度 ★★★★★
原始人の英語の流暢さ      ★★★★★
滑稽さ                ★★★★★

ケロ

13/ザメッティ(2005) ★★☆☆☆

13/ザメッティ(2005)




ちょいと前に片手間で観た映画(片手間で観た映画を評価しちゃいけないよねw).
以下,あらすじです.

グルジア移民のセバスチャン(ギオルギ・バブルアニ)は、偶然手に入れた封筒の中に入っていたパリ行きの列車のチケットを使い、一攫千金をもくろむ。単身 パリに向かった彼は謎めいた指示に導かれ、ある館にたどり着く。そこは13人のプレイヤーに大金を賭け、集団ロシアン・ルーレットで生死を競わせる悪夢の 世界だった。@シネマトゥデイ

息も詰まる集団ロシアンルーレット・・・・・・は,初めだけ.

あとは中だるみしていて,テンションが保てなかった.

また,このゲームに参加する人間の動機や心理がイマイチ読みとれなかったのも残念.
しかしながら,スタイリッシュでアイディアがいい.
でもやっぱり肝心のロシアンルーレットの場面をもうちょい捻れなかったかなぁ,と.


長編映画初監督のゲラ・バブルアニは,自己資金でこの映画撮影に着手したそうな.
今回限りで終わらずに,次回作でより磨かれた映画を作ってもらいたいと思います.



白黒度   ★★★★★
アイディア  ★★★☆☆
緊迫度   ★★★☆☆

ケロ

2009年11月26日木曜日

ゆきんこ

                      @flickr,by Rock Ptarmigan

登校途中,最寄りの駅から学校に向かって歩く.
すると,雪が舞う.
「雪だ」と思った瞬間に,白くフワフワしたものの正体が虫であることに気付いた.

「“ゆきんこ”だ.」

あぁ,冬が来たのかと感じた.
小さい頃,友達とこれを見つけては
「今日は雪が降るな」とお互いに言っていたのを思い出す.

ゆきんこ,ゆきんこと呼んではいたが,これは俗称であったようだ.

雪虫(具体的な呼称:トドノネオオワタムシ,リンゴワタムシ)
のほうが一般的.

Wikipediaで雪虫を調べてみると,興味深い記述があった.

雄には口が無く、寿命は一週間ほど。雌も卵を産むと死んでしまう。熱に弱く、人間の体温でも弱る。

また,ゆきんこはフワフワしているがために,わずかな風によって流されてしまう.
知れば知るほどに,雪そのものじゃないか.



自動車が激しく往来する場所だったため,まるで風に弄ばれているようにゆきんこは右に左に行ったり来たり.これでは,つぶされるか,あるいは辿り着く前に死んでしまうのがオチ.

自動車がない時代のほうが,よっぽど良かったか?

と,考えもしたが,すぐに思い直した.


いつの時代も,風は強く吹いてるじゃないか.

ケロ

2009年11月15日日曜日

FUJIYAMA


FUJIYAMAをみると,御利益感が得られる.

静岡や山梨の方々には,お馴染なのかもしれませんが,東北出身の身としてFUJIYAMAは高尚なお山なのです.
その敬意は,字にも表れているように「富士山」ではなく「FUJIYAMA」と,まるで日本文化に触れるために遥々海を渡ってきた外国人の気持ちとなんら変わらないのではないか.

東北に居たころ,日常にFUJIYAMAが入り込むことは考えられなかった.
それから千葉に住むようになり,夕方ローカル線の車窓から見えたFUJIYAMAは突如日常に現れたのだ.そのFUJIYAMAは,実に真っ赤に燃えていた.

衝撃.

神々しく,後光が射すように凛として整然とFUJIYAMAは聳えているではないですか.その光景は今でも目に焼き付いている.

それからもFUJIYAMAを見るたび,「ありがたや,ありがたや」と心で念仏を唱えるような面持ちで眺めている.

たかだか3000mちょっとで,真っ白いほっかむりをした富士山は僕にとって非日常的な日本の心象風景であり,かくして富士山は「FUJIYAMA」となったのです.



ケロ

風の尾っぽ


強風吹き荒れる一日.

そんな夕刻.

家路の坂を見上げると,金色の雲が.
まるで雲は,遠くへ去った強風の尾っぽのように伸びており,また黄金色の光のようでもあった.

そして,そんな金色の夥しい雲は坂の頂上へと収斂していき,一個の生命へと昇華するようだ.

なぜだろうか.
ふと「終末」とはこんな光景なんじゃないかと思った.

そんなことを思いながら帰宅の途につく人たちをみて,なんだかばつが悪くなってしまった私.

なので,次には今晩の夕飯に何を喰うかについて考えてみることにした.


ケロ

2009年11月14日土曜日

ハンコック(2008)★★★☆☆

ハンコック(2008)


【ストーリー】
超人パワーで悪を退治し,街を守る男ジョン・ハンコック。
<不死身>で何千年も生きている,地球にただ一人の存在だ。
しかし、コントロールのきかない超人パワーのせいで事件解決の度に街を破壊,いつしか嫌われ者のヒーローになってしまう。
でも本人は「そんなの関係ね~」と、全く反省する気もなく,酒瓶を片手に酒臭い息を吐きながら市民に悪態をついている。
…でも本当は孤独で寂しかった。
なぜ自分だけ違うのか?
そんな時に出会ったPR会社で働くレイとその家族がハンコックを変えていく。
皆から愛される“真のヒーロー”になるべく,ハンコックの戦いが始まる!@Amazon


鑑賞してみて,事前の情報とは違っていて,意外だった.

そして,スーパーマン,バットマン,スパイダーマンなどのようなタイトルが付いても良さそうなところに,ウィル・スミス演じるヒーローの名前からとった「ハンコック」というタイトルがなぜ選ばれたのか.
鑑賞後,その意味を解した.



ヒーローは悩みます.
歴代のヒーロー達の誰しもが悩むのです.

とりわけ,自分のその力の使いどころがどこにあるのかをうまく把握できていないという悩みがおおきのでしょうか.これは何も特別なことではない.

私たち人間に至っても自分を過大評価したり,過小評価したりする.そして,それが実力からはずれた場合では,自分や周りにとっても迷惑きまわりないことになる.

スターウォーズを例にとってみる.
ジェダイの騎士であるアナキン・スカイウォーカーオビ=ワン・ケノービなどのエリト(elite)は,はじめ自分の潜在的な力を把握していない.そこにメンターなる導き手が必要となってくる.それは,言わずもがな,ヨーダだ.力をコントロールすることをヨーダは彼らに強く述べ伝える.テクニックも大事だが,メンタル面において彼らを強化した.そのようにして,自らもつ力の下限と上限,何にその力を使えばよいのかを学習していく.

ハンコックも前半部分では,広報戦略を仕事とするレイ(メンター)によって,これまでにない考え方を学ぶ.どのように自分の力を使えばよいのかを.・・・・・・とここまでは,ヒーローものを踏襲してはいるが,後半部分でころりと雰囲気が変わってくる.そこは「ハンコック」の核となるので割愛するが,今までにない展開になっていることは言っておく.



なにはともあれ端折っていうと,ハンコックが"ヒーローに至るまで"の物語が映画「ハンコック」である.


















ケロ

2009年11月8日日曜日

秋だな

「秋らしい秋」の今日この頃.

日が傾きかけた夕方.
僕は,この時間帯にもっとも秋を感じる.


まるで汽水域のようだ.
汽水は,淡水と海水が入り混じる場所であり,いろんなものが混ざり合っている場所でもある.
また,何かへと変わる緩衝帯のようでもある.

秋は,夏と冬の混ざり合う場所であり,夕方も昼と夜の混ざる時でもある.

そんな混ざり合う場所になぜか魅入られる.

秋は何かに変成するためにいろんなものがごった返し,次の季節を継ぐものの潜伏期間でもある.

秋の持つ「あいだ」は,すぐに過ぎ去ってゆき,ふと目を離したすきにいなくなってしまう.
秋を注意深く感じとるようにと,いま汽水域に僕はたたずんでいる.



ケロ

CREAM

「ヨコハマ国際映像祭2009」なるものが現在開催されている.んぅ~,・・・・・・気になる.




ケロ

2009年11月5日木曜日

4か月,3週と2日(2007)★★★☆☆

4か月,3週と2日(2007)

最近の映画を観て思うことは,「面白かったぁ」,「いい映画だったぁ」という表現が,時として適していないことがありえることだ.

それがどんなものかといえば,ニュースで「昨夜未明,某所で殺人事件が起こりました」あるいは「某交通道路にて,死傷者数名がでる交通事故が起こりました」といった場合に,私たちは決して「面白い」,「いいねぇ」などとはいわないだろう.要するに,最近の映画の傾向としては「事実を伝える」というニュースのテイストを帯びているものが多い.そして,こういった隠れた事実を伝えるこれに対して,「おもしろい」,「たのしい」といった表現をするにはなんだか違和感がある.


Amazonでのストーリー紹介は,以下の通りになっている.
1987年のルーマニア。大学生オティリアは、同室のガビツァの違法な中絶手術を手伝うべく、二人で準備をしていた。 恋人から金を借り、ガビツァの代わりに、手術を頼んだモグリの医者を迎えにいくことに。やがて手術の代金がどうしても足りないことがわかったとき、オティ リアは親友のためにある決断を下す@Amazon

あることを思い出す.エルサレム賞を受賞した村上春樹さんのスピーチだ.

「壁と卵」

壁≒弾道ミサイル≒言葉≒システム

卵≒個々人

壁(システム)は,容易に卵(私たち)をつぶすだろう.この作品の時代背景にもチャウシェスク独裁政治のもと疲弊しきったルーマニアがあったことは見逃せない.ワンシーンワンシーンからにじみ出る偏見と社会主義的思想.

堕胎を手伝う彼女が,がんじがらめのシステムから導き出す最善の手とは何なのか?果たして私たちは彼女を責めることができるだろうか.そして,私たちの日常にも地殻変動のようなシステムの妨害によって苦しんでいる人たちがいるのではないか.

そんな様々な思いを呼び起こす本作がパルムドールを受賞したことはうなづける.


ケロ

ひとつの時代の終わり ~追悼 クロード・レヴィ=ストロース~

21世紀を迎え,20世紀という時代が終わったのは10年ほど前の事だ.それとは異なる時間軸で,ひとつの時代が終わったように思われる.100歳を迎えた人類学者クロード・レヴィ=ストロースが10/30に亡くなった.

昨年あたりから生誕100年記念で数多くの書籍が創刊されていた.生ける構造主義者レヴィ=ストロースがこれまでに私達へ残してくれた業績は計り知れないだろう.

「文明人」と「未開人」

今でこそ差別的な言葉である「未開人」,そして,その対立項「文明人」.しかしながら,かつて西洋思想が謳歌した時代には,まことしやかに「文明人」と「未開人」は広く一般に受け入れられていた考え方である.

その無知・矛盾に,一石を投じたのがクロード・レヴィ=ストロースによる文化人類学と記号論的見地からの批判であった.

その理路を端的にいえば,「文明人」も「未開人」にもある普遍的な構造(これは文化や慣習,思考過程にいたるまで)があると主張した.つまり,それまでの西洋的な思想として,「西洋」は秩序立っているが,「東洋」は理解しがたい野蛮とも思われる慣習などの無秩序さがあるとしていたのだ.しかし,記号論を援用しながら,少数民族の「神話」を素材に構造を抽出できるというアプローチをレヴィ=ストロースは生み出したのだ.これは当時センセーショナルなことであったに違いない.声高に西洋主義的思想を語っていた輩を黙らせたのだから.


こんにち,私たちが思っている以上にかつての人間はひどく偏見的な見方(西洋主義的)をしていたのだ.それも,つい最近まで.その幻想を,レヴィ=ストロースが覚まさせたといってよいだろう.


彼の主張にいくらかの批判はあるが,少なくとも私たちにレヴィストロースが教えてくれるのは"謙虚さ”ではないだろうか.

なぜなら,レヴィ=ストロースが言うように,

世界は人類で始まった、そして人類なしで終わるであろう。

               La pensée sauvage (1962)『野生の思考』みすず書房

その通りだ.
そして,この意味は実に深い.


多大な功績を残してくれた今無きレヴィ=ストロースは,これからも生き続けるのだ.



以下,主な著書
  • Tristes tropiques (1955)
  • Anthropologie structurale (1958)
  • La pensée sauvage (1962)
    • 『野生の思考』みすず書房
  • Les mythologiques (1964 - 71)
    • 『神話論理』みすず書房 全5巻予定 
  • Le regard éloigné (1983)
    • 『はるかなる視線』みすず書房
  • La potière jalouse (1985)
    • 『やきもち焼きの土器作り』みすず書房
  • De près et de loin (1988)
    • 『遠近の回想』(ディディエ・エリボンとの共著)みすず書房
  • Saudades do Brasil (1994)
    • 『ブラジルへの郷愁』 みすず書房 写真が主
  • Saudades de São Paulo (1996)
    • 『サンパウロへのサウダージ』 みすず書房 写真が主



ケロ

2009年11月2日月曜日

トップガン(1986)★★★☆☆

トップガン(1986)

映画を観る者なら,はずせないほど超有名作品,「トップガン」.それにもかかわらず,これまで見る気概が無く,今回が初見.

これによって,トム・クルーズは一躍有名俳優のスターダムへと登りつめた.


20数年前の作品とあって,期待は低かった.いや,戦闘機というシロモノを扱うがゆえに,どうしても現代と比べるとチープな仕上がりになっているのでは,と懸念したのだ.

しかしながら,中身を観てみれば,実にスリリングな戦闘に,息をのむ.まるでゲームの「エースコンバット」さながらの空中戦が展開され,こて先のCG技術を利用した映画なんかより,数倍も迫力が出ていた.これがいまもなお多くの人たちを魅了する映画であることに,観て納得した.



また,シナリオも,実にシンプルでスッと入ってくるものだから,いちいち展開を機にせずとも,魅力的な戦闘に魅入っていればよいだけだから,ほんと楽なものだ.内容は,乱暴に言えば,ハリウッド版「海猿」といったところでしょうか.実力・自信ともにもっている主人公が,仲間の死を通して,より高次のパイロットへと成長していく物語だ.・・・・・・,よくありがちではあるけど.まぁ,それでも戦闘シーンはいまでもそん色なく楽しめるのだからそれだけでもすごい気がした.


若いトムさん


ケロ

10月の鑑賞

10月の鑑賞メーター
観た本数:9本
観た時間:1037分

ユメ十夜 [DVD]ユメ十夜 [DVD]
★☆☆☆☆ 第三夜だけが好き.原作とは別物であり,シナリオがランダムすぎてトホホ.



鑑賞日:10月31日 監督:Array


おくりびと [DVD]
おくりびと [DVD]
★★★★☆

鑑賞日:10月28日 監督:滝田洋二郎


フロスト×ニクソン [DVD]フロスト×ニクソン [DVD]
★★★☆☆ アメリカでの成功を野望するフロスト。政界への復帰を目論むニクソン。両者の夢はどちらかしか叶わない。なぜなら、潰し合うことでしか掴めないからだ。頭脳戦による対談バトルは息を呑む展開に。映画だが、必ずやあなたも歴史の目撃者になった気分になれるだろう。


鑑賞日:10月25日 監督:ロン・ハワード



運命じゃない人 [DVD]運命じゃない人 [DVD]
★★★☆☆ 洋画「11:14」と似た要素をもつ複眼視点の映画.めんどくさい設定ではなく,コンパクトにまとまっているのが良かった.


鑑賞日:10月24日 監督:内田けんじ



007 / 慰めの報酬 (2枚組特別編) 〔初回生産限定〕 [DVD]007 / 慰めの報酬 (2枚組特別編) 〔初回生産限定〕 [DVD]
★★★★☆ ハンサムでスマートなピアソン(5代目ボンド)とは打って変わって,D.クレイグの体育会系ボンドはハイテク機器に頼らず体一つで敵をなぎ倒す.泥臭いボンドもいいですね


鑑賞日:10月24日 監督:マーク・フォースター



ぐるりのこと。 [DVD]ぐるりのこと。 [DVD]
★★★★☆
鑑賞日:10月23日 監督:橋口亮輔



スパイダーマンTM [DVD]スパイダーマンTM [DVD]
鑑賞日:10月17日 監督:サム・ライミ
★★★☆☆



[DVD]"> [DVD]" style="margin: 0pt 5px 5px 0pt;" align="left" border="0"> [DVD]">AVP2 エイリアンズVS.プレデター<完全版> [DVD]
鑑賞日:10月17日 監督:ザ・ブラザーズ・ストラウス
★★★☆☆



死ぬまでにしたい10のこと [DVD]死ぬまでにしたい10のこと [DVD]
鑑賞日:10月17日 監督:
★★★☆☆



ケロ

10月の読書

10月の読書メーター
読んだ本の数:10冊
読んだページ数:2646ページ

排出取引―環境と発展を守る経済システムとは (中公新書)排出取引―環境と発展を守る経済システムとは (中公新書)
★★★☆☆新書という体裁だが,実に丹念に排出取引について調べ上げている.それだけでなく,周辺の環境政策などにも言及していたり,巻末に索引がついていたりと関心のある人には持っていて損はない価値ある新書だ.
読了日:10月21日 著者:天野 明弘


犬を飼うと12の短編 (ビッグコミックススペシャル)犬を飼うと12の短編 (ビッグコミックススペシャル)
★★★★☆

漫画や小説、映画など、フィクションのもつ効用を本作は再確認させてくれた。ミラーニューロンという脳の活動は相手の行動を体を動かさずとも脳内で体得してしまうものだ。追体験とはそういう事である。彼は人物の生きた描写を描くことで読者にリアリティを与える。すると、心の内にあれやこれやと奥深くに眠っていた記憶が再生産される。そして皆、それぞれの『わたしの「犬を飼う」』を生み出していくのだ。彼は、作品の時代背景や世界が大きく異なろうと私たちの心の琴線に触れる物語を生む数少ない漫画家なのだ。
読了日:10月18日 著者:谷口 ジロー


ドラッカー 時代を超える言葉―洞察力を鍛える160の英知ドラッカー 時代を超える言葉―洞察力を鍛える160の英知
★★★★☆



読了日:10月17日 著者:上田 惇生



環境経済学環境経済学
★★★★☆                                               水平・垂直的側面から環境問題への取り組みを日本と世界を相対的に比較しながら,今後あるべき環境改善へのアプローチを提言している.

読了日:10月12日 著者:宮本 憲一


地球持続の技術 (岩波新書)地球持続の技術 (岩波新書)
★★☆☆☆

内容が陳腐化していて,現代においては古臭さを感じるかもしれません.


読了日:10月12日 著者:小宮山 宏


“想い”と“頭脳”で稼ぐ 社会起業・実戦ガイド 「20円」で世界をつなぐ仕事“想い”と“頭脳”で稼ぐ 社会起業・実戦ガイド 「20円」で世界をつなぐ仕事
★★★☆☆




読了日:10月12日 著者:小暮 真久


地域再生の条件 (岩波新書)地域再生の条件 (岩波新書)
★★★☆☆



読了日:10月10日 著者:本間 義人



農山村再生  「限界集落」問題を超えて (岩波ブックレット NO. 768)農山村再生 「限界集落」問題を超えて (岩波ブックレット NO. 768)
★★★☆☆



読了日:10月09日 著者:小田切 徳美



プロフェッショナルの条件―いかに成果をあげ、成長するか (はじめて読むドラッカー (自己実現編))プロフェッショナルの条件―いかに成果をあげ、成長するか (はじめて読むドラッカー (自己実現編))
★★★★★



読了日:10月05日 著者:P・F. ドラッカー,Peter F. Drucker,上田 惇生


環境を知るとはどういうことか (PHPサイエンス・ワールド新書 3)環境を知るとはどういうことか (PHPサイエンス・ワールド新書 3)
★★★☆☆
読了日:10月02日 著者:養老 孟司 岸 由二



ケロ