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2009年10月24日土曜日

フロスト×ニクソン(2008)★★★☆☆


フロスト×ニクソン(2008)


「アメリカ元大統領・リチャード・ニクソン」,名前ぐらいは知っている.しかし,彼が何を成し,何を犯したのか,それらについては全くの無知だった.今回,中心となる問題がウォーターゲート事件という政治スキャンダルだ.これに関与したとして,ニクソンは辞任に追い込まれた.そのとき,偶然に退任させられるニクソンをTVで見ていたトーク司会者のデヴィッド・フロストは,直観的にニクソンとの対談が世間にウケると感じとった.そして,アメリカでの成功,名誉を掌中にできるという野望が湧いた.


マイケル・シーン演じるデヴィッド・フロスト


ことは,順調に進み,4日間にわたる対談が実現のものとなった.ニクソンサイドもこの対談を機に,政界への復帰を計ろうと目論んでいたのだ.そして,互いの頭脳戦が始まることとなる.両サイドは入念な準備を整え,対談の日を迎えた.フロストは,この対談でどうしてもウォーターゲート事件の非を認めさせようとニクソンを誘導する.しかし,そこは数々の討論を切り抜けてきた政治家.フロストのつっこんだ質問をなんなくかわし,ニクソンは平然と受け答えしていく.フロストサイドにとって,初日は完全なる敗北だった.

その後も,二日目,三日目,ニクソンのいいように対談は進んでいく.フロストサイドは地に落ちたように落胆した.しかし,フロストだけは決してあきらめていなかった.そして,四日目,最後の対談を迎えた.果たしてフロストはニクソンに勝利することができるのか.

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この作品は,私にいくつかの点でとても貴重な情報を与えてくれた.ひとつは,政治家の力量というものを改めて再認識したこと.ニクソンの綿密な準備に裏付けされた完璧なまでの話術.トーク司会者であるフロストですらたじろぐほどの語り口に,政治家の持つ才覚をみた.

大統領選の討論では,テレビへの映り方によって当選するかどうかがかかってくるほどだ.それらを見越した政治家の戦略的なプレゼンは,綿密な計画と当人の非凡な器量によるものなのだろう.


もうひとつ得たもの.それはメディアの持つ力だ.

それは,映像に映し出された自分の一挙手一投足が画面の前に座る視聴者の心を簡単に動かしてしまう.大統領の討論戦はまさに,メディアを利用したパフォーマンスといえよう.彼らはネクタイからスーツまで,そのどれもに十分に配慮して臨む.そういう意味では,アメリカの政治家はメディアを巧みに利用する.

そんなことを,この映画から感じ取ることができた.

比較的,ニクソンの憂いを映画で表現していたように思う.それによって,フロストのほうが若干弱い印象にもなっている.

とにもかくにも,対談といえば「徹子の部屋」しかしらなかった僕は,インタヴューの面白さを味わうことが
できた.




興味のある方にはぜひおすすめ
手に汗握る  ★★★★☆
ドラマティック ★★☆☆☆
政治家の憂い★★★★☆
全体      ★★★☆☆


                                                  第37代大統領 リチャード・ニクソン





ケロ

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