笑うのに必要なのは,17 種類の筋肉.
だけど,しかめ面するのには 47 の筋肉がいる.
エネルギーを大切に.
-unknown-

自分の写真
どこかの街, どこかの井戸で
日常にハミングを。Evernote、iPhone、エネルギー・環境関連、ランニングなどについて呟いてます。

2009年12月26日土曜日

幸福度

アメリカの心理学者であるDienerら(2008)は、人の「幸福度」を、こんな式で表している。

幸福度 = 持っているもの ÷ 望んでいるもの 


こういった抽象的な言葉(幸福)を数量化,あるいは定式化することには些か疑念を抱かないわけではないが,上の幸福度の式は経験則からいって存外当たらずとも遠からずではないか.

この式をまじまじと見て気付いたことは,私たち人類の大半は不幸のうちにその一生を,あるいは平凡を生きてきたに違いないことが分かる.

「人類の進歩」

こう言われた場合,それはほとんどの場合に科学的・倫理的範疇での話になる.その人類の進歩は現状に満足できない欠落感を,補うための不断の努力によって成し得てきたはずだ.

つまり,いま(持っているもの)よりも常に未来(望むもの)を多として,進歩してきたともいえるわけだ.

こうして歴史は今を頂点とする形に整えられ,そして,未来を今以上の高次元でより幸福なものであるという幻想に至る(のだと思う).

と, ここまで然も生きるための存在意義を幸福に求めるようなことを嘯いてきたが,そうでははい.むしろ,幸福とはそんな程度のものとして,燃えるゴミとして袋 に詰めて捨てるまでではないが部屋の隅っこにでも置いておけばよい.そんなことだ.そして,最善の幸福になるための方法は,宗教にでも入ればよい(決し て,そんなことは厭だけど).今以上に求めなければ良い.それしかないじゃん.だけど,そんなことできないのが人間であり,かく言うぼくもまだ人生に絶望 してはいないから厄介だ.



ケロ

2009年12月14日月曜日

夢の効用

今朝,夢をみた。

夢をみたからには、内容がどうであったかをある程度覚えている。
その夢には、全く今となっては会わなくなった知人が出てきた。

これまで夢は,ジークムント・フロイトなどによって夢分析といわれるように,多くの人間にとっての関心ごとであったし,それは今でも変わらないだろう.夢の中に出てきた人物や物は,現実を反映したシンボルとして夢に現れているという風に信じられていた.


夢を見るのは、レム睡眠といって浅い眠りの時である.そのレム睡眠であるが,どのような役割があるのか.日常の膨大な情報を取捨選択して、統合・整理しているのはレム睡眠の時だということが知られている。

記憶の定着化に重要なものとして、「恐怖」がある。よくこんなことがないだろうか.

誰かに追い掛けられたり、穴に落ちたり、殺されかけたりした経験は少なからずあるだろう。その「恐怖」を伴う夢体験は,記憶を定着するのに一役買っているのだ.怖い夢を観たら,記憶をうまく定着させているのだなという程度に思えばよろしいのかもしれない.

2009年12月8日火曜日

climategate事件

国連気候変動枠組み条約第15回締約国会議:COP15で,温室効果ガス削減,新興国の検証がなされている.漸進的ではあるが,世界全体で少しづつ削減努力をつづけている.しかし,その努力を根底から覆す事態が俄かに起こっている.それこそ,watergate事件にちなんで名づけられたclimategate事件といわれる科学スキャンダルだ.





グラフ(上)はニュージーランド水圏大気研究所(NIWA)が発表していたもので、20世紀に急激に温暖化していますが、別の科学者がデータを再調査したところCRUと同種の不正が見つかり、実際の気温変化はグラフ(下)だったとこが発覚 @化学者のつぶやき


地球温暖化問題に関しては、様々なメディアでその真偽について議論されてきた。

概ね以下のような階層ごとで問題視されている。

1.地球は本当に温暖化しているのか?
2.温暖化しているとして、果たしてどのような影響があるのか?
3.それはproblemなのか、それともissueなのか?


cop15はここら辺をどう扱っているのだろうか.看過できないはずなのでは.

ケロ

2009年12月4日金曜日

太陽はひとりぼっち(1962) ?????

太陽はひとりぼっち(1962)


「つまらない」というのと,「わからない」というのは当然違うわけだが,本作は後者の部類に入った.
今現時点において,この作品を公平に評価することが僕にはできない.僕にはわからないのだ.

しかし,わからないなりにかなり本質的なテーマを扱っているのだろうというのは感じ取れる.だから,「つまらな」くはなかったのであり,「わからない」と評価した.

これまでにそういう映画が無かったわけではない.かなり感覚的な映画は数多くある.ここでいう感覚的無映画とは,言語化されていないノンバーバルな表現を主体とした映画ものを指す.

そのなかで,すんなり噛み砕かずとも咽喉を通るものもあれば,今回の「太陽のひとりぼっち」のように,消化不良になってしまう,つまりうまく解せないものもある.


以下,内容を紹介する.

都会に生きる人々の刹那的な恋愛を、M・アントニオーニ監督がシャープに描いた秀作。ひょんな事から出会ったヴィットリアとピエロは惹かれあい、肉体関係を結んだ。しかし、その関係にすべてを賭けるような情熱もなく、2人は無感動な別れを選択する。 @キネマ旬報社




モノクロの風景が画面に映る.そこには,木々や忙しなく往来する車,ベッドタウンのような街並みがある.しかし,それだけではないのは自明だ.
たとえばシニフィアン(能記)として表象された「木(ki)」には,シニフィエ(所記),つまり概念・イメージが付与される(図1).





図1@Wikipedeia

しかし,実際にはシニフィアンに対してシニフィエはかなり流動的であり,人間は表象されたシニフィエから様々な事物を連想する.

すなわち,M・アントニオーニ監督が表現する風景は,必ずしも“風景”ではなく,風景の裏側にある未曽有のイメージだ.そのイメージを物語二停留するテーマによって,フィックスしていく.

話は逸れたが,本作を理解するには生半可な鑑賞はゆるされないということだ.




ケロ

2009年12月2日水曜日

北極熊

村上春樹が著した短編集「神の子どもたちはみな踊る」に収録されている作品の一つに「タイランド」(連作『地震のあとで』その四, 1999年『新潮』11月号)がある.

数ある中でも,好きな話のひとつだ.
傷心の女医(さつき)がタイで過ごした休日を描いた話となっているのだが,ガイド兼運転手のニミットというタイ人が物語の終盤部分で,かつて自分の上司であった人から聞いたあることを,さつきに話しだす.

それは北極熊の生態についてだ.


少々長くなるが,以下に一部を記載する.

「彼は私に一度、北極熊の話をしてくれました。北極熊がどれくらい孤独な生き物であるかという話です。

彼らは年に一度だけ交尾をします。

年に一度だけです。夫婦というような関係は、彼らの世界には存在しません。

凍てついた大地の上で一匹の牡の北極熊と一匹の牝の北極熊とが偶然的に出会い、そこで交尾が行われます。

それほど長い交尾ではありません。

行為が終了すると、牡は何かを恐れるみたいにさっと牝の体から飛び退き、交尾の現場から走って逃げます。文字どおり一目散に、後ろも振り返らずに逃げ去ります。

そしてあとの一年間を深い孤独のうちに生きるのです。

相互コミュニケーションというようなものはいっさい存在しません。

それが北極熊の話です。

いずれにせよ、少なくともそれが、私の主人が私に語ってくれたことです。

(…)

そのとき私は主人に尋ねました。

じゃあ北極熊はいったい何のために生きているのですか、と。

すると、主人は我が意を得たような顔に浮かべ、私に尋ねかえしました。

『なあニミット、それでは私たちはいったい何のために生きているんだい?』と」



物語の文脈から逸脱したカタチで,この北極熊の話を切り出しても興味深いものには変わりないだろう.

「夫婦」,「愛」という観念が北極熊にはない.当然といえば当然のこと.そもそも「言葉」というものを持ち合わせてはいないだろう.とはいえ,ある程度動物のうちにも夫婦関係や愛情というものを垣間見ることができる.それが北極熊に至っては見出すことができない.これは人間の常識からは考えられないことだ.

やはり,僕たちは卵なのだろうか.
究極的には交わることのできない殻で覆われた卵なのかもしれない.交わろうとすれば,ぐちゃりと潰れてしまうそんな存在.

「常識」と言ったが,それは「事実」を指すわけではない.常識は集団を生きる知恵のことだ.そうなると・・・・・・


北極熊も,
人間も,
同じようなものかもしれない.


ケロ

バグダット・カフェ


20年前,日本でミニシアター系として爆発的人気となった映画「バグダット・カフェ」.
そのニュー・ディレクターズ・カット版が再度上映されることとなったらしい.

一度も観たことがないので,ぜひ映画館で見てみようと思う.

ケロ

布団乾燥機が好きだった


暖かい.

昨晩,冷え冷えとした部屋で四肢の先が凍るような,そんな寒さに襲われていたのに比べ
今日はなんと陽気な朝だろう.

こんなときには週末のお天気に干した布団のにおい,「おひさまのにおい」がする.

このにおいのもとは・・・・・・,と言ってしまえば,なんとも詰まらぬ事に為って終いそうだから止めておこう.


そんな世間では「おひさまのにおい」と称されるものを嗅ぐと,布団乾燥機を思い出す.

僕は布団乾燥機が好きだった.
冬になると,よく母親が布団乾燥機を物置から出してきてやってくれたものだ.


昼間にやっておけば,夜にはなんとも心地よい布の肌触りと「おひさまのにおい」が出来上がり,極上の眠りを与えてくれる.

得も言われぬ至福のとき.

そんなことが今ではできない.

ならば,束の間の太陽の光をたっぷりと浴びてやろう.


ケロ

2009年12月1日火曜日

11月の鑑賞

11月の鑑賞メーター
観た本数:7本
観た時間:769分

あの子を探して [DVD]あの子を探して [DVD]
★★★☆☆ 非常に教育的な映画。とても懐古的なシチュエーションのようにみえて、いまの中国の一面を映し出している。
鑑賞日:11月28日 監督:チャン・イーモウ
紀元前1万年 特別版 [DVD]紀元前1万年 特別版 [DVD]
★☆☆☆☆ マンモス狩りのシーンでさえ,なんだか人間が滑稽染みて見えた.タイトルからして,面白くなさそうなのに近日公開された「2012」が気になって,エメリッヒ監督作品に手が伸びてしまった.こういうのは,地上波で観ましょう.
鑑賞日:11月27日 監督:ローランド・エメリッヒ
13/ザメッティ [DVD]13/ザメッティ [DVD]
★★★☆☆
鑑賞日:11月18日 監督:ゲラ・バブルアニ
ハンコック エクステンデッド・コレクターズ・エディション 【Amazon.co.jp 限定リバーシブル・ジャケット仕様】 [DVD]ハンコック エクステンデッド・コレクターズ・エディション 【Amazon.co.jp 限定リバーシブル・ジャケット仕様】 [DVD]
★★★☆☆
鑑賞日:11月15日 監督:ピーター・バーグ
4ヶ月、3週と2日 デラックス版 [DVD]4ヶ月、3週と2日 デラックス版 [DVD]
★★★★☆ 「壁と卵」.エルサレム賞を受賞した村上春樹のスピーチを思い出した.あまりにも壁に対して卵は脆い.そして,あまりにも卵と卵が分かち合うことは難しい・・・・・・,そんな思いがした.
鑑賞日:11月05日 監督:クリスティアン・ムンジウ
トップガン [DVD]トップガン [DVD]
★★★☆☆
鑑賞日:11月02日 監督:トニー・スコット
THE 有頂天ホテル スタンダード・エディション [DVD]THE 有頂天ホテル スタンダード・エディション [DVD]
★★★☆☆ てんやわんやの喜劇は、まさに三谷監督らしい。代わりのきかない映画として、これからも映画を撮ってもらいたい。
鑑賞日:11月01日 監督:三谷幸喜
ケロ

11月の読書

11月の読書メーター
読んだ本の数:6冊
読んだページ数:1916ページ

『坊っちゃん』の時代 (第3部) (双葉文庫)『坊っちゃん』の時代 (第3部) (双葉文庫)
★★★★☆ 石川啄木という人物があまりにも愚かしく,独善的な奴であると思った.しかしそれ以上に,愚直な人間であったのではないかとも考えた.啄木的な要素を少なからずわが身にも感じ取れる気がする.
読了日:11月29日 著者:関川 夏央,谷口 ジロー
つきはぎだらけの脳と心―脳の進化は、いかに愛、記憶、夢、神をもたらしたのか?つきはぎだらけの脳と心―脳の進化は、いかに愛、記憶、夢、神をもたらしたのか?
★★★★☆ 脳の場当たり的な進化をもとに,「記憶」・「愛」・「夢」などについて,科学者らしい控えめな考察を述べている.今後の脳研究が楽しみだ.
読了日:11月27日 著者:デイビッド・J. リンデン
星の王子さま (集英社文庫) (集英社文庫)星の王子さま (集英社文庫) (集英社文庫)
再読了日:11月20日 著者:アントワーヌ・ド サン=テグジュペリ,Antoine de Saint Exup´ery,池沢 夏樹
『坊っちゃん』の時代 (第2部) (双葉文庫)『坊っちゃん』の時代 (第2部) (双葉文庫)
★★★★☆ 森鴎外には,しみったれたセンチメンタリストというレッテルを勝手に貼っていた.ある意味では,間違っていなかった.しかし,父権的権力(国家,家族など)が横行していたこの時代にあって,個人的感情を押し殺して果たすべき責務を鴎外は負っていた.
読了日:11月19日 著者:関川 夏央,谷口 ジロー
『坊っちゃん』の時代 (双葉文庫)『坊っちゃん』の時代 (双葉文庫)
★★★★☆ 否が応にも欧化の波が押し寄せた時代.夏目漱石を台頭に,国家的自我に日本は目覚めた.現在も日本が他国に対して抱えている運命的ともいえる劣等感.その萌芽は,ここ明治にあった.
読了日:11月15日 著者:関川 夏央,谷口 ジロー
ブランカ (ビッグコミックススペシャル)ブランカ (ビッグコミックススペシャル)
★★★☆☆
読了日:11月05日 著者:谷口 ジロー

読書メーター


ケロ