マエキタミヤコさんの講演を聞く機会があった.
マエキタさんは,サステナといわれる「環境NGOのための広告メディアクリエイティブ」を専門にしている社会活動家だ.
これまで著名な活躍として
- 100万人のキャンドルナイト
- エコライフスタイル誌「エココロ」
- 「ほっとけない世界のまずしさ」キャンペーン2005実行委員
- 「フードマイレージキャンペーン」
CarbonPASS
いきものみっけ
100万人のキャンドルナイト
などなど,枚挙にいとまがない.
もともとチェンジングリーダーについての話のはずが,マエキタさんの最近の関心ごとに話は逸れ,そのまま隘路へ・・・.環境啓蒙を専門にしてるから仕様がないのか.
■チャライくらいがちょうどいい
「チャライくらいがちょうどいい」
「チャーミングに世界を変える」
「重いテーマなんだから,軽いノリで,敷居は低く」
彼女の発信する言葉は,実に易しい.直観的発想と単純な物事の認識は,決して裏目に出ていない.そのことに驚いた.
環境問題は,複合的な問題が絡んだ問題です.それには頭を凝らして考えていく必要があるので,どうしても慎重になりがちだ.つまり,なかなか前へ踏み出しにくい課題なのだ.
そんなところに彼女のような軽いノリで,環境問題を楽しく,オシャレに,ファッショナブルなトレンドとしてエコを発信していることは評価できるのかもしれない.
なぜなら,環境問題を考えるきっかけづくりは非常に大事だからだ.なぜ大事か.
これまでの時代は,環境に目をそらしてきた時代といっても過言ではない.
■困った正義 - たちの悪い原理主義者
その一方で,気掛かりな部分もあった.
聴き方によっては,環境原理主義的な考え方に陥りやすくなってしまうのではないかということだ.環境を主目的とするのは誤りだと僕は思う.主目的とすべきは,人間の福利であって,シロクマやトキなどではないからだ.
いま流行りの生物多様性も畢竟,生態系サービスのひとつとして,人間の福利への効果が期待されるものだからという認識が必要だろう.人間には他の生物を愛でるという不可思議な感情を生得的に有しているか,もしくは育まれている.もちろん,それはそれで大事なことだ.しかし,困っている同士を無下にして,他の生物を危惧するという倒錯した行動をとるという困った性質もある.
■恐怖+欲望=最大限に人を動かす
この講演で素直に感じたことは,広告あるいはメディアの力だ.単純とも思える広告,キャッチコピーひとつで多くの人間を動かす力には驚きと恐怖の念さえ覚えた.かつてナポレオンはこう言った
人を動かす梃子は恐怖と欲望
これを逆手に取りながら,環境問題という「恐怖」とエコライフ・ロハスというトレンド(欲望の動機)をうまく利用したことがマエキタさんのこれまでの成功を裏付けているのかもしれない.
そして,この講演を聴講しにきた方々のバラエティの豊かさと言ったらなんの.職業・年齢,老若男女の人たちがチェンジングリーダーや環境に興味を持っていることが分かった.日本もまだまだ捨てたものじゃないですね.こういう人間の多様性は大いに歓迎だと思った講演会であった.
ケロ
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