ひさしぶりに実家へ.
降車駅に迎えに来たのは,父であった.珍しいことである.
父とふたりきりの車中.なんだか照れくさい.ふたりとも意固地なのだ.と言いながら,車で実家に向かう1時間半,話が尽きることがなかった.珍しいことである.
実家に着くと,必ずやることがある.
リアスの海を望める喫茶店で一服することだ.カキやホタテ,ワカメの養殖のため浮いているブイが規則的に列をなす湾内.そこへ針の糸を通すように,ススーと横切る小型船.遠方には椿島,竹島,荒島などの島々がぷっくりと海から顔を覗かせている.とても好きな景色だ.
次の日の朝は,父と庭仕事.父の頭には目立って白髪が.それは幾数年かの時間が過ぎたことをまざまざとあらわしていた.老いたものだ.こんなにも自分の親が老けるものなのか.父と自分の過ごす時間は必ずしも同じではないのだな.時間とは個別的なのだ.最近,ゴルフを始めたらしい.父はゴルフが昔から嫌いで,よくもまぁ接待ゴルフをせずにいままでやってこれたものだ.そんな父がいまでは石川遼くんのゴルフプレーに釘付けときている.変わるものだ.
30年前,父親も東京にいた.学生の父が田舎へ帰省した時,今の自分と同じことを感じただろうか.彼は遠い未来に何を見ていただろうか.ひとつ言えるのは,ゴルフをやっているなどとは思いもよらなかったことだろう.
ケロ
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