わからないものに直面した時,とても興奮する.
人智を超えた壮大なスケールで描かれる「海獣の子供」を読んだ時もそうだった.
ある夏休み---琉花(るか)が出会ったのは,ジュゴンに育てられたという少年「海(うみ)」と「空(そら)」.大きな流れ星,光となって消える魚・・・出会いから次々と起こる不思議な出来事.ある夜,小笠原に落ちた“隕石”を琉花に託した空は,光となって消えてしまう・・・.
「海獣の子供」を描く漫画家・五十嵐大介さんによって描かれたクジラやウミガメ,ジュゴンや雑魚などの海洋生物たち.それらが紙面を生きいきと泳ぐのがこちらに伝わってくる.
あるいは海上の白波や海岸へ打ち寄せるさざ波,海中で浮上する“あぶく”など,どれにおいても実際以上に僕らにその雰囲気を感じさせる.そんな壮大かつ緻密な自然の描写もこの漫画の魅力だ.
これまで4巻まで出ており,話は宇宙にまで及び,謎は深まる一方だが,他方で次第に物語という協奏曲がピークに到達しそうだ.これまでの不可思議な現象の謎が一気に解き明かされるかもしれない.「海獣の子供」に目が離せない.
ケロ
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