「ドラッカー 時代を超える言葉」(上田惇生)
ドラッカーは「マネジメント」という今では経営を語るのに不可欠な概念を創出した人として有名である.
そんなドラッカーを初めて知ったのは,ほぼ日の企画「はじめてのドラッカー」を見た時の事だ.
まず,自分は割と自己啓発本とか,ビジネス本という類のものを軽視していた.何が厭だって,ナリッジをお手軽に手に入れようとするきゃつらをチープで,ショボイと考えていたからだ.
しかし,考え方が徐々に変わってきた.
ドラッカーは「マネジメント」という今では経営を語るのに不可欠な概念を創出した人として有名である.
そんなドラッカーを初めて知ったのは,ほぼ日の企画「はじめてのドラッカー」を見た時の事だ.
まず,自分は割と自己啓発本とか,ビジネス本という類のものを軽視していた.何が厭だって,ナリッジをお手軽に手に入れようとするきゃつらをチープで,ショボイと考えていたからだ.
しかし,考え方が徐々に変わってきた.
それはひとえに,P.F.ドラッカーと出会えたからかもしれない.
最近,巷ではビジネス書・経営書コーナーに,間違いなく平積みされているドラッカー本.原著作物から,中には「もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら」といった随分と敷居の低い本までが並んでいる.とにかくいまリーマンたちに,とても高い人気を誇っているがドラッカーだ.
成果のあげ方、マネジメント、社会の変化……。もしドラッカーが生きていれば、聞いてみたい数々のテーマ。今起きていること、これから起 こりうることを、ドラッカーの「目」を通して読み解く。@Amazon
この本も数多あるドラッカー本の一つにすぎない.そんな中で本書を今回紹介するのは,言ってみればドラッカーの思考が「網羅的に知ることが出来」かつ それが要領よくまとめられた「エッセンシャル」であるからだ.
しかし,いくら本書を紹介するにしても,上述したとおりドラッカーの扱っている範囲が広範であり,テーマも多岐にわたっている.よって,今回は第一部第一項「成長のための機会を逃さない 自己実現のために」を紹介するにとどめる.
1.何によって憶えられたいか.
今日でも私は,この問い,つまり何によって憶えられたいかを自らに問いかけている.これは,自己刷新を促す問いである.自分自身を今日の自分とは若干違う人間として見るよう仕向けてくれる問いである.by P.F.ドラッカー
2.自らの成長に責任を持つ
成長は,人間そのものを変えるがゆえに重大な意味を持つ.自らの成長に責任を持つことで,いま何に集中すべきかを自ら問わなければならない.誰でもできるルーティンばかりでは,能力を活かす事が出来ず,畢竟自分の責任を果たしていない事と同等だ.
3.自らに高い要求を
自らに刺激を与えるには,仕事を変えることが必要である.この必要性は,人がますます長生きするようになり,ますます長く活動できるようになるにつれて大きくなる.by P.F.ドラッカーなんということだろう.日常化・習慣化して心地よくなった時こそ,ドラッカーは違った事を行えと促している.要するに,自己満足に陥っていては,高次の自己を実現することは不可能であるということだ.喜びは仕事とその成果の中に無ければならないのだ.
4.予期せぬ成功こそ成長の糧
ドラッカーは,指揮者に勧められて客席から演奏を聴いたクラリネット奏者の例を引いている.そのとき彼は,初めて音楽を聴いた.その後は上手く吹くことを超えて,音楽を創造するようになった.これが成長である.
5.機会は無数にある
自らの成長につながる最も効果的な方法は,自らの予期せぬ成功を見つけ,その予期せぬ成功を追求することである.ところがほとんどの人が,問題に気をとられる.by P.F.ドラッカー
これまでは知識をどのように得るのかに労力を払ってきた.しかし,今日において,知識はどこにでもあふれている.これからは,知識を最大限に活かすために何処へ使うかが問われているのだ.
知識は,仕事や技能をなくしはしなかったが,仕事の生産性と働く者の人生を大きく変えた.by P.F.ドラッカー
6.自らの実存にかかわる問題
選択肢を前にした若者が答えるべき問題は,正確には,何をしたらよいかではなく,自分を使って何をしたいかである.この問いは就職上の選択の問題に見えながら,実は自らの実存にかかわる問題である.by P.F.ドラッカー
P.F.ドラッカーは知識時代の到来を予期した.それは,現にクラウド・コンピューティング社会という誰でも知識を共有できるプラットフォームとして存在している.そして,昔とは異なり,知識はどう入手するかにエネルギーを消費する時代ではなくなっている.
労働の生産性を上げるには,容易に入手可能な知識をどう活かすかにかかっているのだ.そんなことも含めて,P.F.ドラッカーから教わったことが,ビジネス書や自己啓発本に対する嫌悪感を和らげてくれた.なぜなら,自分はこれまで知識を得る過程に価値を置き過ぎていた.いまでは知識を得る過程ではなく,知識を活かし,成果につなげる過程に価値を置きはじめている.それらを容易に得られるならそれを手にいれない手はない.
最後にP.F.ドラッカーのこの言葉で締めくくりたいと思う.
データは情報ではない.情報の原石にすぎない.原石にすぎないデータが情報となるには,目的のために体系化され,仕事に向けられ,意思決定に使われなければならない.by P.F.ドラッカー
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ケロ
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