笑うのに必要なのは,17 種類の筋肉.
だけど,しかめ面するのには 47 の筋肉がいる.
エネルギーを大切に.
-unknown-

自分の写真
どこかの街, どこかの井戸で
日常にハミングを。Evernote、iPhone、エネルギー・環境関連、ランニングなどについて呟いてます。

2010年1月12日火曜日

スイングしなけりゃ意味がない

It don't mean a thing (if it ain't got that swing)

要するに,スイングしなけりゃ意味がない,という意味だ.この言葉は,ジャズの曲名が由来であり,Ellingtonの数ある名曲のうちのひとつだ.以下wikipediaからの引用

"It Don't Mean a Thing (If It Ain't Got That Swing)" is a 1931 composition by Duke Ellington with lyrics by Irving Mills, now accepted as a jazz standard@Wikipedia


しかしながら,ジャズ経由で知ったわけではない.
この言葉を知ったきっかけは,映画『スモーク』(1995)に端を発する.この映画の原作者はアメリカの作家ポール・オースターであるが,彼の著作『トゥルー・ストーリー』に,『スイングしなけりゃ意味がない』というタイトルの小品が収められていた.その内容には深くまで突っこまないが,著者の身に起こったいくつかの偶然の重なりがささやかな奇跡を生んだというエピソードが描かれている.

そんなことから「スイングしなけりゃ意味がない」という言葉を知ることになったのだが,まあブログタイトルにも掲げているくらいであるから,僕はひどくこの言葉を気に入った.スイングって,野球やゴルフのスイングとは全く違う.Jazzで言うところの「スイング」であることは言うまでもないが,その割には,確固たる定義がなされていない.それを証明するかのように,多くのジャズメンはスイングを定義するのは難しいと口をそろえていっている.あるサイトでは次のように定義されていた.

ジャズという音楽の特徴である「躍動感」や「ノリ」を表現する時に、
「スウィングする」とか「スウィングしている」というように使われます。


安易にこう言ってしまうのはどうだろう.
人生もスイングしなけりゃ意味がない,と.しかし,なるほど,合理的・計算的に生きることがどれほど非合理的で,非能率的かをある程度生きていれば,経験則から実感するのではないか.合理的とは,つまり凡そパソコンのCPUに及ばない情報処理能力の脳味噌で考える限りにおいてであるからして,その有効範囲はごくごく限られたものであるに違いない.そして,私たちが生きる世界とは,そんな程度では測れないものであるのは僕の足りない脳味噌でもわかることだ.ポール・オースターの実体験からきた偶然の重なりが生むささやかな奇跡も計算ずくで生まれる代物ではない.

多くの哲学者は,直観をまず認識の能力の一つとして扱い,考えることの基本概念に据えた.イマヌエル・カントはその手前にア・プリオリを置いた.ア・プリオリとは,悟性の手間に存在する自明な事柄を指す.そんな直観的ともいえるスイングで人生を楽しまなけりゃ人間,いや生物として謳歌できぬ.と嘯いてみたりする今日この頃.

このエントリーをはてなブックマークに追加 Clip to Evernote
ケロ

0 件のコメント: