「急に売れ始めるにはワケがある
ネットワーク理論が明らかにする口コミの法則
マルコム・グラッドウェル
以下,Amazonの商品紹介を引用。
ちょっとした違いが、なだれ現象を生む!
YouTube、iPod、Nintendo DS……なぜヒットは爆発的に起こるのか? その答えのヒントをくれるのが本書の考え方。流行現象をウイルスによる感染と見なし、その仕組みを解き明かす。全米で 200 万部を突破した、マーケティング本の古典的名著の文庫化である。
▼ティッピング・ポイントって?
あるアイディアや流行もしくは社会的行動が,敷居を越えて一気に流れ出し,野火のように広がる劇的瞬間の事。要するに,すべてが一気に変化する劇的な瞬間を指す。 アイディア,製品,メッセージ,行動などはウィルスのように広がっていくのである。
そんな伝染病的な現象は以下の三つの特徴を備えている。
1. 感染的
2. 小さな原因が大きな結果をもたらす
3. 変化が徐々にではなく劇的に生じる
そして,この劇的な変化は次の三つの原則に従うようです。
- 少数派の法則
- 粘りの要素
- 背景の力
▼原則3:背景の力 ~人の性格に感染する背景 ~
とりわけ,興味を持ったのが原則3の「背景の力」。
感染は,それが起こる“時”と“場所”の条件と状態にも敏感に反応するのです。
例えば,有名なジンバルドによるスタンフォード大学の模擬監獄実験などからもシチュエーションと役割が人の性格を即座に別の者へと変えていく力を持っている事が理解できる。
行動の方向性を決めるにあたって,心に抱いている確信とか,今何を考えているかというようなことは,行動している時のその場の背景ほど重要ではないのです。
▼割れた窓が犯罪を引き起こす!?
犯罪学者のジェームズ・Q・ウィルソンとジョージ・ケリングが発案した「割れた窓」理論。
一見,荒唐無稽とも思えるものが実は本質的な要因である場合が世の中にはしばしばある。
そのひとつに「割れた窓」理論を挙げられる。
この理論がNYの犯罪率の劇的な減少に一役買ったと言えば,信じるだろうか?
これは,無秩序を象徴する小さな徴が,感染的に犯罪を広めていることを証明した理論である。
日常的な例を出してみよう。
ある人が河川敷の草むらに空き缶を何気なく捨てた。1ヶ月後そこはどうなっているだろうか?そこには最初に捨てられた空き缶だけでなく,新たに捨てられた空き缶やビニール袋,なぜかは知らない片方の靴や骨の折れた傘などが山積しているだろう。
これはどういうことでしょうか。
「割れた窓」というのも,この例と恐らくそれほど違わないだろうと思う。
もうひとつ例を出してみると,自宅にいる自分と会社にいる自分,電車にいる自分や海外に旅行している自分,他にも居酒屋,両親と,パートナーと,兄弟と,などなど,これらの<自分>のモードがそれぞれ異なっているだろう。
同じように,「割れた窓」がある風景にいる自分というのも,これまでとは違ったモードになっているかもしれない。それが日常的になってくると,そのモードは「性格」にまで浸食してくる。
言うなれば,人間の考え・行動とは固定的というよりも流動的なものなのだ。
畢竟,背景をコントロールする事が人間の考えや行動をコントロールする事でもあると言える。
感染現象は直接的な環境の些細な要素に手を加えることによって,それを反転させ,一気に傾かせることができる。
些細な事から大きな結果を生み出す事は可能なのだ。
▼てこのように――ティッピング・ポイント
とにかく根性や努力を傾注するなどということが必ずしも出来るわけではない。便利な近道を,小から大を生む方法が求められてきている。まぁそれが,ティッピング・ポイントなのだ。ある困難な問題が抽象的に表現された時には全くのお手上げなのに,同じ問題を例えば「社会的ジレンマ」として言い換えると困難を感じないものです。
人間の行動は錯綜して不透明なのだ。
そして,世界は――私たちの思いに反して――直観とは一致しない。
人間の意思伝達(口コミ)は常識では考えられない規則に従っている。
正しい個所をちょっと押してやれば,ティッピング(傾く)する。そこを見つけ出すことが重要なのです。
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