「経済は感情で動く はじめての行動経済学」(マッ テオ・ モッテルリーニ )
▼僕たちの頭は当てにならない
最近、気になっている「行動経済学」.ミクロやマクロでもなく,近代経済学を越えて、いま最もホットな学問の一つだと思う.
日常の買い物から、レストランでの食事、株式投資やビジネスでの判断、病院や選挙での選 択、競馬や宝くじまで、お金をめぐるあなたの常識を覆します。@Amazon
私たちは、出来うる限りにおいて 理性的・合理的であろうとする.なぜなら、そのような人間は、
▼コンコルドの誤謬
コ ンコルドと言えば,イギリスとフランスが共同開発した超音速機である.
この開発プロジェクトには甚大な投資がなされた.その開発初期段階 において,この開発は商業的にうまくいかない事がわかりはじめたのだが,ずいぶん投資したのだからスクラップに回すことはできないと突っ走ってしまった. 結局,予想通り採算がとれず赤字によりとん挫した.そんな事象からコンコルドの誤謬と 呼ばれるようになった(あるいは似たものにサンクコストの過大視があ る).すでに多額の投資をしたとしても投資を中止してその計画を放棄 するのが将来の利益につながるのなら,そうすべきである.しかし,過去の投資が将来の投資を左右してしまう事が僕たちにはよくあるという一例だ.
身 近な例えとして次のようなものがある.
スキー旅行の予約をしたとする.あなたはすでに安くない金額を支払ってい る.しかし,当日になって,強く吹雪いてきたとする.そうした場合,あなたは 1.スキーに行くでしょうか? 2.それとも,温かい家で過ごすでしょう か?
この問いでは,多くの人が自分で多額の旅費を支払ったのだから,無理をしてでもスキーに行くことを選択する.しか し,自分が支払うのではなく,プレゼントでスキー旅行いけるとしたら,どうだろうか?おそらく,温かい家で過ごすほうを選択する人が多くなるのではないだ ろうか.
このように,自分が支払うコストに振り回されて,将来の利益を見過ごしてしまうケースは少なくない.
上 記の例以外にも,本著書では実に多くの例を列挙しながら,僕たちがいかに非合理的で,感情によって行動しているかが嫌と言うほど分からされる.
こ の本は,私生活を見直す手掛かりとなるだけでなく,仕事や世の中のニュースを見る視点をもう一段階うえに押し上げてくれるはずだ.
Tweet
ケロケ~ロ