笑うのに必要なのは,17 種類の筋肉.
だけど,しかめ面するのには 47 の筋肉がいる.
エネルギーを大切に.
-unknown-
2009年9月16日水曜日
わかりやすく<伝える>技術
池上 彰 講談社現代新書 2009
■だれのための説明なのか
池上さんがまず冒頭で投げかける疑問,「だれのための説明なのか」.
独りよがりに陥らず,しっかり相手に伝える「わかりやすい説明」.存外,難しいことです.
つい,自分への陶酔心からなのかテクニカルタームを多用し,簡単な話の筋を複雑にしてしまいます.プレゼン後,周りを見渡せば,納得していない顔や難しい顔,はたまた眠たそうな顔をしている人たちが散見されるありさまに.
こんなことをよくやってしまいます.「だれのための説明なのか」,いまいちど考える必要がありそうです.
知識経済・情報社会といわれる昨今.それらを代表するインターネットは,世の中に随分と普及しました.それに従い,情報が飛び交い,横溢し,より社会が複雑になってきています.
社会が複雑になればなるほど,周りから求められるのは「わかりやすい説明」となるわけです.
その池上さんが本書で教えてくれる「わかりやすく<伝える>技術」とは何なのか,一部紹介したいと思います.
■Step1 話の地図を渡す
池上さんの考えでは,わかりやすい説明とは,相手に「地図」を渡すようなものだそうです.
説明のための「地図」.これが大事.
私なりの「地図」に対するイメージは
・地形や地理を俯瞰するもの.
・迷った時や何処かの目的先に行きたい時に用いる.
・自分の位置と目的の場所の二つが確認できる.
池上さんが仰っている,伝える技術としての「地図」も同様の意味のようです.
つまり,最初に話の導入部分で「これから説明するのはこういった話ですよ」と,聞き手側に大まかな位置を示す「地図」をまず渡してあげます.
そのあとに「それでは,現在地から目的地までのルートを今から説明します」という流れにもっていきます.それは最も聞き手を安心させます.聞き手は話し手の案内のまま,身を委ね,目的地までついていけるのです.
□こんな手も・・・
「地図を渡す」という理屈と同じように,たとえば所要時間を最初に伝えてあげることも効き手側を安心させる手段です.「今日のお話は15分程度です.そのあとに質疑応答の時間を5分設けたいと思います」と言った具合に.
まず,プレゼンテーションというショートトリップを案内しなければならないのがガイド役の話し手であり,そのツアー客が聞き手であるのです.
そう考えれば,池上さんの言う相手に「地図」を渡すも合点のいくところですね.
□地図の描き方
地図は以下の4つのポイントで描くといいようです.
1. 話すべき内容をまず箇条書きにしてみる.
2. その箇条書きをもとにリード(地図)をつくりましょう.
3. 今度は箇条書きの内容がそのリード通りになっているか検討する.
4. リードにふさわしくないところが出てきたら,順番を変えたり削除したりふかしたりする.
■Step2 対象化(=見えるか)
内容整理のポイントは対象化(=見える化)です.
イメージを外部にアウトプットし,視覚で認識することはとても重要なことです.
頭の中に溢れるイメージを,外に垂れ流すことで,あとからの整理がずいぶん楽になります.
■step3 階層化で話のブランチを作る
外部に垂れ流した(対象化した)内容を階層化によって,整理します.
例えば,個条書きして書きだしたA,B,C,Dというそれぞれ重要なワード.それを対象化によって,試行錯誤します.その結果,次のようになりました.
A→D→E→B
Step2の手順通りに,順番を入れ替えたり,削除したり,付加したりします.
そして,階層化.
A=A1,A2,A3,D=D1,D2,D3, E=・・・.
要するに,階層化とはAやDなどを,さらにいくつかの要素に分解していく作業です.
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