笑うのに必要なのは,17 種類の筋肉.
だけど,しかめ面するのには 47 の筋肉がいる.
エネルギーを大切に.
-unknown-

自分の写真
どこかの街, どこかの井戸で
日常にハミングを。Evernote、iPhone、エネルギー・環境関連、ランニングなどについて呟いてます。

2011年3月21日月曜日

35万6577km彼方の月から

<ラジオのニュース> 米軍の多大の戦死者を出しましたが,ヴェトコン側も115人戦死しました。
女「無名って恐ろしいわね」
男「なんだって?」
女「ゲリラが115名戦士というだけでは何も分からないわ。一人ひとりのことはわからないままよ。妻や子どもがいたのか?芝居より映画のほうが好きだったか?まるでわからない。ただ115人戦死というだけ」

ジャン=リュック・ゴダール 映画「気狂いピエロ」より





 一昨日の夜,ちょうど10時を過ぎた頃だろうか,アパートの最寄りの駅を降りて家路に帰るとき,相方がふとこう言った。
「あれ?今日の月,満月じゃない?」
そう言われて,僕も相方の見る方向に目をやると確かに月がまんまるい。
「本当だ。満月っぽい。」と別段驚きもせず言葉を返す。

僕の住む街も今回の地震による節電施策ということで,普段に比べると,いくらか暗かったように思う。そのせいか余計,煌々と月が輝いているようにその時は見えた。


次の日ニュースを見て知ったのは,昨日の月は最も地球に接近した日であった事。
なるほど,街が暗かったというよりも月そのものが地球に近づいたことであんなに輝きを増していたのか。


3月19日の満月は地球との距離を50万kmから35万6577kmにまで近づけていたようだ。そして,その月は世界各地でSupermoonと呼ばれ,ニュースに大きく取り上げられていた。


 35万6577km

サンジュウゴマンロクセンゴヒャクナナジュウナナキロ……。
実体を帯びないその数字は僕にとって,どうでも良いように思えた。


そこで35万6577Km彼方にある月の事を僕は考えてみる。

そこはとても寒く,暗く,無味無臭で一切音のない世界……。
ケイ素で構成される圧倒的な無機物と,それに比べて圧倒的に僅かな有機体である僕ひとり。

僕は誰ひとりいない月の上で地球を眺めてみた。

そこからは,退屈なほどに,何の変哲もない青い地球が眼前に広がってみえる。

ここからじゃ何も変わったようには見えない。

でも,僕はすでに変わってしまっていることを知っていた。


警察庁のまとめによりますと、地震で亡くなった人の数は8450人、行方不明者は1万2千人余りで、合わせて2万1000人を超えています。・・・・・・。

MBSニュース


ここにいても,何も始まらないのでそろそろ地球に戻ろうと思う。



現在までに東日本大震災による死者・行方不明者の数(2011年3月19日現在)
2万1000人
今日販売された携帯電話の台数(2011年3月19日現在)
342万0571台

地球と月の距離(2011年3月19日現在)

35万6577km


世界で今日死にゆく命(2011年3月19日現在)
16万7463人

今日消費されたタバコの量(2011年3月19日現在)
 151億6739万8119本
 
世界で今日生まれる命(2011年3月19日現在)
38万3543人


 







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