笑うのに必要なのは,17 種類の筋肉.
だけど,しかめ面するのには 47 の筋肉がいる.
エネルギーを大切に.
-unknown-

自分の写真
どこかの街, どこかの井戸で
日常にハミングを。Evernote、iPhone、エネルギー・環境関連、ランニングなどについて呟いてます。

2009年9月21日月曜日

「私」について考えるわたし




単純な脳,複雑な「私」(池谷裕二,朝日出版社 2009)

普段から考える心の存在.喜んだり,悲しんだり,好きなものや嫌いなもの,正しいものと間違ったもの.

実はこれ,自分を取り巻く環境と脳の間で生まれた幻想にすぎないのです.

これまで先人達が思い悩んできた「自由意志」や「時間概念」について,池谷さんは脳科学的見地から鮮やかに解き明かしてくれます.脳のもつ力に驚愕し,恐ろしささえ覚えました.

2009年9月16日水曜日

わかりやすく<伝える>技術


池上 彰 講談社現代新書 2009


だれのための説明なのか


池上さんがまず冒頭で投げかける疑問,「だれのための説明なのか」.

独りよがりに陥らず,しっかり相手に伝える「わかりやすい説明」.存外,難しいことです.
つい,自分への陶酔心からなのかテクニカルタームを多用し,簡単な話の筋を複雑にしてしまいます.プレゼン後,周りを見渡せば,納得していない顔や難しい顔,はたまた眠たそうな顔をしている人たちが散見されるありさまに.

こんなことをよくやってしまいます.「だれのための説明なのか」,いまいちど考える必要がありそうです.

知識経済・情報社会といわれる昨今.それらを代表するインターネットは,世の中に随分と普及しました.それに従い,情報が飛び交い,横溢し,より社会が複雑になってきています.
社会が複雑になればなるほど,周りから求められるのは「わかりやすい説明」となるわけです.

その池上さんが本書で教えてくれる「わかりやすく<伝える>技術」とは何なのか,一部紹介したいと思います.

Step1 話の地図を渡す

池上さんの考えでは,わかりやすい説明とは,相手に「地図」を渡すようなものだそうです.

説明のための「地図」.これが大事.
私なりの「地図」に対するイメージは
・地形や地理を俯瞰するもの.
・迷った時や何処かの目的先に行きたい時に用いる.
・自分の位置と目的の場所の二つが確認できる.

池上さんが仰っている,伝える技術としての「地図」も同様の意味のようです.

つまり,最初に話の導入部分で「これから説明するのはこういった話ですよ」と,聞き手側に大まかな位置を示す「地図」をまず渡してあげます.

そのあとに「それでは,現在地から目的地までのルートを今から説明します」という流れにもっていきます.それは最も聞き手を安心させます.聞き手は話し手の案内のまま,身を委ね,目的地までついていけるのです.

□こんな手も・・・


「地図を渡す」という理屈と同じように,たとえば所要時間を最初に伝えてあげることも効き手側を安心させる手段です.「今日のお話は15分程度です.そのあとに質疑応答の時間を5分設けたいと思います」と言った具合に.

まず,プレゼンテーションというショートトリップを案内しなければならないのがガイド役の話し手であり,そのツアー客が聞き手であるのです.

そう考えれば,池上さんの言う相手に「地図」を渡すも合点のいくところですね.

□地図の描き方

地図は以下の4つのポイントで描くといいようです.

1. 話すべき内容をまず箇条書きにしてみる.
2. その箇条書きをもとにリード(地図)をつくりましょう.
3. 今度は箇条書きの内容がそのリード通りになっているか検討する.
4. リードにふさわしくないところが出てきたら,順番を変えたり削除したりふかしたりする.

■Step2 対象化(=見えるか)

内容整理のポイントは対象化(=見える化)です.

イメージを外部にアウトプットし,視覚で認識することはとても重要なことです.
頭の中に溢れるイメージを,外に垂れ流すことで,あとからの整理がずいぶん楽になります.

■step3 階層化で話のブランチを作る

外部に垂れ流した(対象化した)内容を階層化によって,整理します.
例えば,個条書きして書きだしたA,B,C,Dというそれぞれ重要なワード.それを対象化によって,試行錯誤します.その結果,次のようになりました.
A→D→E→B
Step2の手順通りに,順番を入れ替えたり,削除したり,付加したりします.

そして,階層化.

A=A1,A2,A3,D=D1,D2,D3, E=・・・.

要するに,階層化とはAやDなどを,さらにいくつかの要素に分解していく作業です.

2009年9月14日月曜日

マインドマップ超入門




マインドマップ(MindMap)とは,トニー・ブザン氏が提唱した思考表現法.

考えたいテーマ(セントラル・イメージ)を中心に置き,テーマについて樹形の如く枝分かれ状にイメージやキーワードなどを自由に展開させ,記憶の定着と発想の展開を促す.



強調しておきたいことは,必ずしもこの方法が誰にとっても有効なものだとは限らないことでしょう.人によって,記憶の方法や思考の過程が異なるので,書いて覚えるのが得意な人もいれば,声に出して読むことで記憶するやり方もあります.

この場合,絵を描くのが好きな方にとっては,かなり有効なツールなのではないでしょうか?

そして,私は絵をかきながら,図化することで事物や事象を捉えるのが得意なので,この方法は願っても無いです.

どんどんマインドマップをノートにアウトプットしていきたと思います.

Embeddable Google Document Viewer

ブログにpdfを埋め込めるやり方がある.
以下がその方法だ.





これはなかなか便利なので,使っていきたいです.

2009年9月13日日曜日

コンサルタントの時代


コンサルタントという職業

今の時代,就活性や社会人にとってコンサルタントに対する思いは「やりがいのある仕事」や「実力主義の給料」,「インテリ」など,注目度が高いことを窺わせる.

20世紀後半のがむしゃらに大量生産大量消費という高度成長時代を経験した日本の直面する現在とは,インターネットの到来による知識社会へ移行する過渡期である.

知識社会とは,
インターネットなどの情報技術によって高度に情報化された社会であり,コンサルタントのような知識労働者がますます活躍できる社会でもある


到来した知識社会のありようは,「勝者一人勝ち」,言い換えれば「Winner Takes All」である.

コンサルタントの内実
本書では,コンサルタントは何ぞやといった著者自身なりのコンサルタントの定義を提示している.
そして,世界的にみた日本のコンサルタントの姿,コンサルタントの過去・現在・そして今後あるべき姿という平面的(地理)・垂直的(時間)によって知識労働者としての生き方を提示している.

コンサルタントは,華やかな周りの見方とは裏腹に,激務であり,絶えず思考を働かせ,向上心を持ち合わせなくてはならない仕事だ.
コンサルタント業界ではよく“Up or Out"という言葉がまことしやかに語られる


つまり,コンサルとしてキャリアアップするか,それが出来ないならばフェードアウトするしかない.その椅子に留まる事は出来ない.先に進むか,退出してもらうかの二者択一なのだ.

著者はよく儒学の王陽明が説いた「知行合一」を引き合いに出す.これすなわち,「知(観念)」と「行(体験)」は不即不離であり,行のない知も,知のない行も,どちらも真実を見失う.知と行は,あくまでも一つであり,併進的・同時的なものである.これを知識労働者にあてはめて考えれば,コンサルタントは,「現実対処能力」と「ビジョン・戦略創出能力」を併せ持つことに他ならない.

コンサルタントに求められる資質

著者が考えるコンサルタントの資質は6つある.

①経営的センス・・・経営的センスを認知せしめるには,クライアントに形にして伝えることができなければ意味がない.“カタチ”にしてこそ,センスが“見える”からだ.
②グローバル経験・・・コンサルタントがグローバルな視点を持っていないのは笑い種.
③起業家精神・・・道なき道を開拓する自立した精神を持つ必要がある.コンサルタントは,答えのない経営課題に答えを出していく.
④顧客志向・・・つねにクライアントのことを中心に考えて行動する姿勢である.コンサルタントとはサービス業の一つであることを自覚することから始まるのだ.
⑤対人コミュニケーション
⑥肉体的・精神的タフネス

これらの能力がコンサルタントにとって必要な資質である.著者はこれら以外にも,6つの資質を統括した総合的資質として挙げている.それが「コンサルタントとしてのパワー」である.“パワー”に当たるものが,成長エンジンというものであり,つまり「上昇志向」と「目的意識」を己の中に内蔵することなのだ.

最後に
 成長するコンサルタント象

コンサルタントは,コンソーシアムとして事業を展開することも多々ある.しかし,決して相互依存した関係ではなく,自立した「個人カンパニー」としての意識を持つべきである.組織にぶら下がったり,従属したりする存在ではいけないのだ.